株式取引の基本は、安く買って高く売ることだといわれていますが、株式投資では、これ以外にも、空売りという手法があります。
これは、株式投資という始めたばかりの方には、少し分かりにくいかもしれません。
例えば、空売りという手法は、株式を一時的に借りるものだと考えるようにすると、理解しやすいかもしれません。
例をあげると、ある企業の株式を百円で証券会社から借りたとします。借りた株式であるので、当然のことながら、返さなければなりません。
このとき、返すときの株価が、借りたときの株価よりも、高ければ損失が出ることになります。
例えば、百円で借りた株式を、百五十円で返せば、五十円の損失となります。一方で、百円で借りた株式を、五十円で返せば、五十円の得をしたことになります。
このように、空売りという手法は、相場で株式が下落することを利用して、利益を出すもののことを言います。
株式投資では、株価が上がり続ける場面だけではありません。かつても、バブル崩壊やリーマンショックのように、株価が大きく下落することがありました。
こうしたときに、空売りをしておけば、株価の下落局面でも、利益を出すことが可能です。
ただし、この空売りをするためには、信用取引の口座を開く必要があります。
一般的に信用取引の口座を開くためには、証拠金という担保を証券会社に預ける必要があります。
これは、空売りが、株式を買うのではなく、証券会社から借りるためです。そのため、空売りには、手数料のほか、利息が懸かるのが一般的です。
注意が必要なのは、この利息が高くなることがあるということてす。こうした利息のことを、逆日歩といいます。
この逆日歩が発生するのは、空売りをしようとする投資家が多くなり、借りられる株式が少なくなるためです。
調達が難しくなるぶん、手数料も高くなってしまうのてす。さらに注意が必要なのは、信用取引には、期限があるということてす。
通常、6ヶ月か一年間てすが、この期間のうちに、株価が上昇してしまうと、損失が出てしまいます。
さらに、逆日歩がついてしまうと、損失も膨らんでしまうこともあります。
一般的に投資家が空売りを考えるようになるのは、その企業の業績悪化や不祥事などが発生する場合ですが、空売りが増えることを見越して、株価を吊り上げようとする投資家もいるのです。
こうした場合、損失を出さないようにするため、投資家は高値で買い戻ししなけらばならず、思わぬ損失を出すこともあります。このように空売りには、慎重な判断も必要なのではないでしょうか。